ロードバランスすだちくん読んで、やっぱり三菱東京UFJ銀行のAWS移行とか失敗するんじゃないのと思った件


「オマエに三菱東京UFJ銀行の何がわかるんだ」って言われそうだけど、何社目か忘れたけど三菱東京UFJ銀行の仕事してたんですよ。だから「あんなトロいところにAWSとか無理やろ」ってずっと思ってまして。いつか書こうと思ってたんです。
そして時は来ました。

もともとはこの記事がきっかけでした。
三菱UFJがパブリッククラウド「AWS」採用、国内メガバンクで初:ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/012300193/?n_cid=nbpitp_twbn_top

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が、社内システムの一部をパブリッククラウドサービスのAmazon Web Services(AWS)上に刷新すると決めたことが2017年1月23日に分かった。5年で100億円規模のコストを削減するのに加えて、システム構築の期間を短縮し、フィンテック分野などで重要性が増している迅速なシステム開発を実現する。

正直「はぁ」って感じでした。キミらのシステム構築の期間が長いのは、インフラや製造工程の問題じゃなくて、要件定義にむっちゃくっちゃ時間かけてるからやないかと。でもまぁここには社内システムの一部としか書かれていないので、まぁいかにもスゴいことのように書いているけど、できるところだけチョロチョロやるだけなんだろうなーと思ってたら、「どうも違うようだ」ってなったのが次の記事。

三菱UFJ、勘定系システムのAWS移行も:ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/346926/022400847/?n_cid=nbpitp_twbn_top

「Amazon Web Services(AWS)に移行するシステムに“聖域”はない。現時点では計画していないものの、勘定系システムをクラウド化する可能性は十分にある」

マジか。死ぬぞ。

MUFGのクラウド化方針はこうだ。MUFGは現在、国内で大小合わせて1000システムを所有している。このうち、10年間で500システムをクラウド化する見込みだ。新規開発のシステムについては、「クラウドの活用を第一に考える」(亀田執行役員)。新規案件のうち、50%はクラウド化するという。既存システムに関しては、サーバーの保守期限切れなどの更新タイミングでクラウド化を検討する。

10年かー。10年後にクラウドっていまのカタチで存在するのかねー。ぶっちゃけ、最初に移行したシステムの頃と、500システム目で、状況が同じなわけないんですよね。それくらい変化の速いモノをインフラとして使おうとしてて、10年。うん、時間かけすぎ。6ヶ月とかでやれないようならやらないほうがマシでは。あと『既存システムに関しては、サーバーの保守期限切れなどの更新タイミングでクラウド化を検討する』ってのもなんかダメダメパターンの典型例で。

「保守切れるからクラウドに移行するわ」
「すいませんもうそのインスタンスタイプもOSもないんすよね」
「は?????」

みたいな。

あと完全にネットワークのことが忘れ去られてる。僕はシステム開発じゃなくて、システムと外部を接続する「外部接続」ってところのネットワーク構築をやってたんですね。DCではサブシステムごとに接続先が違うんで、システム個別にF/Wやルータかましてました。ちなみにF/Wは別ベンダで2段重ねにするってルールもあったはず。てことは、外接が必要なシステムを移行した場合、個別にDX引くんですかって話に。あと、仮想アプライアンスでいいんすかって話にも。いやー、却ってお金かかりませんかそれ?

AWS上のシステム開発はグループのIT会社、三菱UFJインフォメーションテクノロジーが主に担当する。部分的にTISにも発注している。TISはAWSプレミアコンサルティングパートナーの認定企業である。

いやいやいや、MUITだけで全部作ってるわけじゃないでしょwww
TISだって下にいっぱいN次請け抱えてやってんだろうし。

あとねー、MUITもTISもネットワークはやってないんだよねー。ネットワークはMDIS/MDIT/MIND/NOSといった三菱ファミリーなんだよね。特にNOSとか「SI費だけだったら赤字ですよ、ハコが売れてナンボなんすよ」っていう感じなんで、AWSのNIとかやりたくなりだろうしやらないかもしらんなぁって感じ。他の3社はそもそもAWS使えんのあんたらって感じです。

さらに、この話をあるところでしたときに「MUITってそんなにダメな会社じゃないと思うけどなぁ」って言われたんですけど、そーじゃない。本体のシステム部がボロボロなの。みなさん、@Typeのメールマガジン登録してます?????三菱東京UFJ銀行のシステム部の社内SEの募集、めっちゃ来るんですよ。三井住友とかみずほとかは全然来ないのに。まぁ僕は知ってますよ。あそこのシステム部って社内調整で病む人が多いので、定着率めっちゃ低いんですね。定着率めっちゃ低いからスキルも低い。ネットワーク担当が「NATって何ですか」とか、社内SEでも聞いちゃいけないレベルのことを平気で聞いてきます。あと、システム部員は「特別総合職」といって、行員みたいな「総合職」とは待遇が違うんですね。それも定着率が低い原因なんじゃねぇのかなぁと。

で、こんなことをずっと腹の奥にため込んでいたんですけど、背中を押してくれたのがこの記事です。

ガートナーのクラウド評価が的確すぎてぐうの音も出ない – ロードバランスすだちくん
https://blog.animereview.jp/gartner_cloud_2017_q1/

この記事を読んで、「これはとにかくアウトプットしよう」と思ったんですよ。

特に僕が注目したのがこのあたり。

・クラウドは使えるのか、といった議論をする
議論不要です。議論してる暇があったらさっさと使いましょう。試して捨てられるのがクラウドです。

・クラウドにRFPを出さない
何も無いと僕らも困りますが、カジュアルなものは1時間の打ち合わせの議事録だけで、翌日にはシステム丸ごと完成してるレベルです。それがクラウドです。クラウドのRFPはかなり独特です。何故なら、詳細に定義しなくとも、多くの事をクラウド側でいい感じに勝手にやってくれるからです。

・まずは試行する
多くのクラウドサービスは試すことができます。そして簡単に捨てることができます。

・経験しながら学ぶ
とはいえ情報量には限りがあります。多くのコミュニティが集っているクラウドサービスを積極的に利用するのもひとつの選択肢です。

・良くできることを考える
クラウドを使うのは呼吸と同じです。考えるな、感じろってことです。

クラウドっていうのはこういう世界なのだということをシンジさんがビシッと書いてくれてます。とてもじゃないけど、MUFGの皆さんには無理です。

あと、MUFGのみなさん、絶対これやってるでしょ。

・クラウドの検討に1年をかける
1年分の給料を会社に返すべきです。クラウドの利用において、検討は呼吸以下です。使うことが前提なのです。その上で使えないという判断を下せるかどうかなのです。

・最初から完璧なクラウド化計画を作る
気持ちは分からなくもないですが、クラウドには相性があります。相性の良いところから進めていかないと、息が続きません。

まぁ、今は金融もITも関係ない仕事をしているので、MUFGさんには「今からでも遅くない辞めておけ」って言いたいです。どうせMUFGの上の人はいいんですよ、どっかに天下っておけば。現場の人間が社会復帰不能になったり、ヘタすると自殺したりしかねないんで、御社のシステムはおとなしく池尻と唐木田と千葉ニューに引きこもっておいていただきたい次第です。